パリ・ロンドンが息をのむ「黒と漆」の静寂——洋の食卓に溶け込む、加藤漆器店の輪島塗

2026年9月。デザインの都パリでは「パリ・デザインウィーク2026」や「メゾン・エ・オブジェ」が開催され、ロンドンでは伝統的工芸品にスポットを当てた「Atelier DENSAN」がOxo Tower Wharfで開幕しました。今、欧米のハイエンドなインテリアシーンやコレクターの間で、日本の伝統工芸、特に「Urushi(漆)」に対する評価がかつてないほど高まっています。

一過性のトレンドに流されることなく、手入れを重ねながら世代を超えて愛用できる「持続可能な本物」——海外の洗練された美意識と共鳴する日本の工芸文化。本物を知り尽くした大人の食卓を彩る逸品として、当店が厳選する「加藤漆器店」の輪島塗のストーリーを紐解きます。

輪島塗が誇る「百の工程」と、育つ漆の艶

石川県輪島市で育まれた「輪島塗」は、日本の漆器文化の最高峰として知られます。その美しさの真価は、目に見えない下地の段階から積み重ねられる極めて緻密な手仕事にあります。



【輪島塗・加藤漆器店のものづくり】

工程 特徴と美学
布着せ(ぬのきせ) 木地の傷みやすい部分に麻布を貼り、歪みや割れを防ぐ補強技術
地の粉(じのこ)使用 地の粉(地の珪藻土)を混ぜた漆を塗ることで、圧倒的な強固さを実現
多層の塗りと研ぎ 上塗りに至るまで数十から百を超える工程を重ね、なめらかな肌触りに
経年変化の美学 年月を経るごとに漆の透明感が増し、育てるように深い艶が生まれる


加藤漆器店の手掛ける輪島塗は、職人が自然の恵みである漆と真摯に向き合い、何十もの工程を途切れることなく手作業で繋いでいくことで完成します。木地の補強から上塗り、研ぎ出しに至るまでの丁寧な手仕事が、手にした瞬間に吸い付くような肌触りと、手に伝わる穏やかなぬくもりを生み出します。

洋の食卓に気品をもたらす「輪島塗」スタイリング

「漆器は和食やお祝いの席だけのもの」という固定観念を解き放つと、現代の洋の食卓に洗練されたコントラストが生まれます。

大理石やクリスタルガラスと奏でるシックな対比

加藤漆器店の黒塗・朱塗の漆タンブラーやカトラリーは、海外のコンテンポラリーなインテリアと非常に美しく調和します。

  • 異素材のアンサンブル:冷涼な質感を持つ大理石のダイニングテーブルや、透明感あふれるクリスタルガラスのワイングラス。そこに深みのある漆の黒が加わることで、食卓全体に凛とした気品と奥行きが生まれます。

  • 洋の食材を引き立てる色彩:熟成されたチーズ、鮮やかなカルパッチョ、果実味豊かな赤ワイン。シックな漆肌は、洋の食材が持つ色彩をいっそう艶やかに浮かび上がらせます。

日常のディナーや週末のカクテルアワーに輪島塗を取り入れるスタイリングは、ゲストを特別なもてなしで迎えるラグジュアリーな演出となります。

一生ものとして寄り添う、漆器の日常ケア

本物の漆器は、極めて質実剛健な道具です。日常の中で特別な構えなしに長く大切に使うための、シンプルな手入れ法をご紹介します。

  1. 柔らかいスポンジで優しく洗う ご使用後は、ぬるま湯と中性洗剤を使い、柔らかいスポンジで洗ってください。繊細に見えてしっかりと漆が固着しているため、日常の洗顔のようにやさしく洗えば問題ありません。

  2. 乾いた柔らかい布で水気を拭く 洗った後は自然乾燥させず、柔らかい布で水気を丁寧に拭き取ります。この拭き上げるひと手間が、漆の表面を自然に磨き上げ、年数を経るごとに美しい艶を育てる秘密です。

  3. 日常使いこそが最高の保湿 漆は極端な乾燥を嫌います。仕舞い込みすぎず、毎日の食卓で愛用して水分と空気に触れさせることが、漆を最も良い状態に保つ秘訣です。

職人の魂が宿る漆器をひとつ手元に置き、時とともに移ろう艶を愛でる。慌ただしい現代において、それは何にも代えがたい豊かな時間をもたらしてくれます。

数百年の伝統を受け継ぐ「輪島塗」の技と心に、現代の洗練を吹き込んだ加藤漆器店のコレクション。それは、日常の食卓にそっと日本の美しきストーリーを添えてくれる、タイムレスな逸品です。手にするたびに深まる漆の艶と職人の美意識を、ぜひあなたのライフスタイルの中でご堪能ください。

▶︎ 伝統をモダンに愉しむ。「加藤漆器店」輪島塗コレクションはこちら



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